腕が上がらない原因は巻き肩?肩の"サビつき"を取る【巻き肩改善エクサ3選】


腕がスッと上がらない、肩が重たい…。そんな不調の原因は、「巻き肩」かもしません。放っておくとどんどん動かしにくくなってしまうから、今すぐ“肩のサビ取り”を始めませんか?
巻き肩と腕の可動域の関係

姿勢の悩みで上位にあがる巻き肩とは、肩甲骨が前方に傾き(前傾)かつ外側に開いた状態(外転)で、同時に上腕骨が内側にねじれている(内旋)姿勢のことを指します。
スマホ操作やデスクワーク、運転や家事など、体の前で手を使う時はこの姿勢になりやすく、多くの人が無意識のうちに巻き肩の状態を定着させているかもしれません。この状態では、肩甲骨がすくみ(挙上)、それに伴って鎖骨も挙上位で固定されやすくなります。肩甲骨の可動性は低下。その結果、腕を真上に上げたり背中側に引いたりする動きがしづらくなってしまいます。
さらに注目したいのが、背骨との連動性です。
本来、腕を高く上げるには、肩甲骨の動きに加えて胸椎(胸の背骨)の伸展(反る動き)が不可欠ですが、巻き肩の人は胸椎が丸まりやすく、肋骨も前に落ち込んだ姿勢になりがち。そのため胸椎がうまく反らせず、可動域に制限がかかってしまいます。

また、巻き肩が続くことで、大胸筋・小胸筋など胸や肩前面の筋肉が過緊張しやすくなり、僧帽筋上部も過剰に働くことで肩の挙上が起こる場合もあります。反対に、菱形筋や僧帽筋中部・下部といった背中側の筋肉は引き伸ばされて機能低下を起こします。こうした筋バランスの崩れは、肩甲骨の安定性を失わせ、さらなる可動域の低下や肩こり・首こりの原因にもなってしまうのです。
巻き肩を改善する動きのコツ
肩関節は、360度近く動かせる自由度の高い球状の関節ですが、同時に姿勢や筋バランスの影響を受けやすい不安定な関節でもあります。
巻き肩の状態では、肩甲骨が外側に広がり、上腕骨が内側にねじれて関節が常に偏った位置に。周辺の筋肉が縮んだり、逆に伸ばされたまま硬くなることで、関節包や関節周囲組織の柔軟性が低下し、関節の滑走性が悪くなることで、関節全体が“サビついた”ように感じられることもあります。
見た目の印象にも大きく影響する巻き肩は、美と健康の両面からしっかりケアしたい姿勢のクセです。
解消の鍵は、肩関節を「ねじる(内外旋)・回す(回旋運動)・大きく動かす(外転や伸展)」という段階的なアプローチ。くるくると動かすことができる球関節は、「ねじる・回す」動きをすることで、まずは関節や筋膜の滑りを促し、滞った神経伝達にもやさしく刺激を与えます。関節のサビつきが取れてきたら、そこから大きく「広げる」動きをすることで、上腕骨を本来の位置に導いていきましょう。
毎日できる!巻き肩改善エクササイズ3選
① 肩ねじり
手を固定することで、筋肉と神経にしっかり刺激を入れます。

・椅子に座り、体より少し後ろの座面を右手で持ち、肩を内回し・外回しにねじる。(左側も同様に)
②肩まわし
腕の重さを利用して、①で刺激した肩関節をさらにほぐします。

・右肩を下げ、右手を床に向かってだらんと垂らす。左手を右肩にそえた状態で、右肩を内回し・外回しにくるくる回す。(左側も同様に)
③ 前後拍手
肩関節と胸椎を連動させて、巻き肩を根本から改善します。

・まっすぐ立ち、体の前で手のひらを合わせた状態から、腕を後ろに引いて、体の後ろで手の甲を近づける。体の前後で拍手をするように大きく動かす。
▼ 詳しい動きを動画で確認したい方は、こちらからどうぞ ▼
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